とてもシンプルにわかりやすい語り口で書かれている文章が多く、エッセイ等があるとつい読んでしまう内田樹。彼が結婚論を書いたということで、Amazonで取り寄せてみました。
感想といたしましては・・・・地に足がついていて、非常に現実的!
長年、結婚生活を営んできたものの達観した、かつ思想家として本質をついた視点で、結婚のリアリズムが書かれおり、いろいろと取り上げたい章がたくさんありましたが、繰り返し書かれているのは、
「結婚しておいてよかったと思うのは、“病めるとき”と“貧しきとき”です。結婚というのは、そういう人生の危機を生き延びるための安全保障なんです。結婚は“病気ベース・貧乏ベース”で考えるものです。」
「結婚は本質的には破局的事態に備えた安全保障制度なんです。(中略)自分が「落ち目」のときに身銭を切って支えてくれる人を手元に確保するための制度なんです。いいですか、ここが肝心なんです。自分が落ち目のとき、です。」
ということなんですが、
・・・という視点に立つと、お相手の外見とかは割とほんとにどうでもいいんですよね。それよりも、人生の窮地にたったときに、本当に頼れる人なのか、優しい人なのか、ということが重要で、恋愛のようなトキメキばかりを重視すると、結婚の本質からズレてしまう可能性がある、ということでありましょう。
若いうちはともかく、アラフォーともなると、人生の折り返しに入り、老後が現実的にそろそろ視界に入ってくるわけで、やはりこの視点は切実に持って婚活に臨むべきだとは思います。
その他にも、「結婚」というものを非常にすっきりまとめているので、「結婚って、自分にとって一体なんだろう・・・」と婚活迷路に迷ってしまっている方は手に取ってみてはいかがでしょう。